まばゆいほど輝いて

それでも今日は往く

舞台「弱虫ペダル」のライブビューイングに行ってきました

舞台「弱虫ペダル」The Winnerの大千秋楽のライブビューイングに行ってきました。本公演では最速先行・先行・一般・当日券ともに全敗したものの、なんとかライブビューイングのチケットは勝ち取ったぜ!!金城真護役の郷本さんの言うとおり、本当にチケットの取れない舞台なんだと改めて実感・・・映画館の席が後方どセンターだったので画面からキャストが飛び出て来るんじゃないかってくらいの迫力でした。

前置きが長くなりましたが以下感想です。

 

インターハイ3日目、3年生にとっては最後の夏、最後の1日。舞台はいつもの「スタートを切る」というセリフとキャスト全員が自転車を漕ぐシーンから始まります。そこから小野田坂道役の村井くんがママチャリで登場し、「えええー!?」というお決まりのシーン。

その後1日目、2日目のハイライトを折り入れ、3日目のスタート地点からようやく物語がストーリーが動き出します。スタート地点のシーンでは黒田雪成役の秋元くんがちゃんとI LOVE PEAKのTシャツ着てたのがもうすごく嬉しくて黒田・・・!ってなった。そのまま待宮の登場シーンに繋がるんですが、待宮栄吉役の山本さんの演技がもうそれはそれは待宮で!!!「エッエッ」って笑うシーンとかほんと待宮でした。あとあの独特の体を触る手つき大好きです。

そのまま話は原作通りに進んでいきます。ストーリーとしては特記することはないですが、時間の関係上かなり省略されたシーンもあったので、舞台なので仕方のないことだとは思いつつも残念でした。

インターハイ3日目といえばメンバーが1人、また1人と千切れていくシーンが印象的で感動するシーンだと思いますが、どの役者さんも最後の最後までそのキャラを演じきっていて、また思いを託されたメンバーはしっかりと仲間の思いを受け取り走っていて、このシーンは涙なしでは見れませんでした。特に私は荒北が千切れるシーンから鳴子劇場までのシーンが特に好きで、原作がまったくそのまま3次元で表現されていて・・・もうめちゃくちゃ感動した。

そして、仲間の気持ちを背負って山頂を目指す真波と小野田。この2人のシーンは本当に圧巻でした。息を呑む、というか・・・そこには山があって道があって、真波山岳と小野田坂道という二人の少年がいて、仲間の気持ちを背負い一心不乱に走っていく。「勝った者は空を仰ぎ、負けた者は恨めしそうに地面に伏す」というモノローグが原作にはあるんですが、その言葉をものの見事に体現していて胸を打たれました。ゴールのシーン、小野田は誇らしげに両手を上げ、対称的に真波は地面を睨む。このシーンは背中しか見えないんだけど、背中だけでも十分に弱虫ペダルのリアルが表現されていて、もう人間の言葉では表せない世界でした・・・

そしてその後の真波の「いっぱい涙が出たので、景色見てました」というシーンは本当に物語を象徴していました。勝つ者がいれば当然負ける者もいる。今回の舞台では「自転車競技の表彰台はたった15cm」というセリフが何度も出てきますが、そのたった15cmのために誰もが汗と涙を流す。なんと儚いんだろう。でもその儚さこそが『青春』であり、輝いているんだと感じました。そしてこのシーン、真波役の植田くんが本当に泣いてるように見えてその健気な姿が余計に涙を誘いました。ここって、一番悔しい3年生が誰も真波を責めないんですよね。福ちゃんだけがこのチームの終わりと来年の箱学を語る。福ちゃんの真波への問いかけへの返事、「はいっ!」という声がずっと耳に焼き付いています。あと秋人くんの真波にポンってするところ最高だった・・・

さて、内容の感想はこんな感じです。あとはペダステならではのオリジナルキャラクターについてですが、郷本さんと滝川さんが走って舞台から捌けてアンディとフランクの衣装を取りに戻り光の速さで戻ってくる、いやーさすがだなと思いました・・・!演出面で言えば、総北が箱学を追っているときにひな壇?ステージ?の後ろを走れるようになっていて、それがひな壇のセンターの開いている部分から見えるようになっていて、臨場感と言うか、本物のレースを体験しているようですごく興奮しました。他にも、真波と小野田の対決のシーンで、真波が走るときのスロープは箱学メンバーが、小野田が走るときのスロープは総北メンバーが動かしていて、そこでも仲間の強さと演出が光っていてもう本当に素晴らしい!!!少ないカンパニーで多くの役を回してるペダステだからこその演出だと思いますが、パズルライダーやモブキャラのメンツにもこだわりがあることをとぼんやりながらも感じました。

そして終演後のカーテンコールですよ、ええ。私はここで一番泣きました・・・だってキャストが泣いてる時点でそりゃあもらい泣きするやん???一人一人の言葉が胸に響きました。特に3年生メンバーの言葉には節々から「彼らのペダステの最後」を感じてしまい、インターハイが、彼らの3年間が終わってしまう寂しさを改めて感じました。終演後、3年生キャストや一部のキャストのブログ、シャトナーさんのTwitterからは初演から3年間の感謝とキャラクターへの熱い思い、そして別れが書かれており、終わってしまった今、本当に3年生が引退して、3年間で築き上げた「ペダステ」というものが終わってしまうんだと認めざるを得なくなってしまいました。ただ、これが本当の終わりではなく、秋元くんやもっくんが「またやりたい」と言っていたように、道はずっと続いていくし、ここでペダステが終わるわけではないんですよね。ここまでキャストやスタッフに愛された「弱ペダ」だからこそ、「ペダステ」もずっと続いていくんだと私は思いました。

そして、おなじみのヒメヒメですが、大千秋楽では植田くんが「ライブやないからね!レースやからね!」を郷本さんの前にやってしまい村井くんとはしゃいでる姿がもう本当に天使かお前ら!!!そしてヒメヒメでは植田くんとたぁくんがミスして結局4回踊ることにwwwでもキャストも終わりたくなかったんだろうなぁ・・・映画館にまで「終わりたくない」って思いが伝わってきたもん。そして郷本さんから「レースやないからね!ライブやからね!」を頂き、間に渡辺先生の登場もあり、トリプルアンコールの末舞台「弱虫ペダル」The Winnerは幕を閉じました。

植田くんがカテコで「ペダステは僕の青春です」と仰っていたのですが、私にとっても間違いなくこの作品は私の青春になりました。私が恋焦がれた青春がすべて詰まっていました。とてつもなく個人的な話になるのですが、実はこのライブビューイング当日の3月29日は、私にとっての、そうだなぁ・・・さしずめ「追い出しレース」になる日のはずでした。でも私はずっと縛られてきたその縄から逃げたかった。逃げたらその先にある大切ななにかは手に入らないし、今持っているものも失うかもしれない。それでも私は嫌悪、憎悪、責任、役職といったあらゆるものから解放されたかった。去年黒バス考察について書いたときもちょっと触れましたが、正義でいることは私には眩しすぎた。でも、私が蹴りを付けることができなかったその日、私は劇場で紛れもない青春を味わうことができました。いつか「逃げることは悪いことでもなんでもない。自分を大切にしてほしい」と仰ってくれた方がいました。後悔したかしてないかなんて、もっと先にならないと分からない。でも私は納得のいく3月29日を過ごしました。

弱虫ペダルのストーリーは私に何度も共感しました。その「青春」は私も味わったことのあるものだったから。そして今回の「ペダステ」で私の青春は一度幕を閉じました。でもペダステの道が続くように、私のこれからの道も続くし、また新しい青春を味わえるかもしれない。そう思うとこの作品に出会えてよかったと心から思います。

 

あと拡樹くんと秋人くんめっちゃ美しいね。この世の人とは思えん。